カサレ、ガンプラ製作ブログ

今や玩具模型のパッケージ完成見本やイベント展示品、試作原型の製作がメインになってしまったホビーショップ カサレのガンプラ製作指南記事!

HG 1/144スケール ガンダムG-セルフ(大気圏用パック装備型)を作ろう!(その1)

HG 1/144スケール ガンダムG-セルフ(大気圏用パック装備型)をパッケージ完成見本のように丁寧に作る!まずはこれを目標に製作方法を紹介していきます!また、ガンプラの品質の高さを利用して手抜きできる所はとことん端折っていきます!

目標の「丁寧に作る」は、模型作りでは辛くつまらない部分が凝縮されています。他人の評価など気にしないで趣味として楽しくガンプラを作りたい方はこの記事を読まず、自分のやりたいことを優先してガンプラ作りに励んで下さい。辛い作業があってもコンテストで入賞出来るような上手い作品を作りたい、せっかく作るならプロ並の作品を作りたいという方への基礎的な注意点と玩具模型の試作や完成見本製作で飯を食べてる私からの精神論(笑)が多分に含まれてる製作記事です。模型製作で技術差を測る重要な「表面処理」「マスキング貼り」に重点を置いて凄く気持ち悪いくらい細かくネチネチと解説する予定です。


☆1.まずは、パーツチェック!

パーツ不足やショートがないか確認しましょう。ガンプラに関していえば、ほとんどその心配はありませんが、ショート等があった場合は購入店で交換して頂くかバンダイお客様相談センターにご相談下さい。尚、クリアパーツの気泡等は仕様ですので交換対象になりません。また、商品回収になるような不具合があった場合は上記相談センターにて告知されます。

ショートを発見しても交換とか面倒だなと感じたら、プロポーション変更や改造の練習と思ってプラ板やエポパテ等で直すのも良いと思います。また、ショート部を製品と同じ形に復元するのは、テストショットを使う完成見本製作や雑誌のレビュー製作をやってみたい方には必須の技術になります。

↓ショート例、スケールモデルなら仕様で終わってしまうようなもんですが・・・


☆2.仮組み

仮組みの目的は関節の固さ調整、表に出る合わせ目箇所やパーティングライン、ヒケ、ウェルドラインの確認等がメインです。製品では関節の固さ調整はあまり必要ないですが、合わせ目箇所を見つけて普通に消すか?後ハメ加工にするか、段落ちモールドにして逃げるか?等考え易くする為に仮組みは非常に有効です。今回はパッケージ見本(商品をそのまま組んだ場合の見本ですので、モールドの追加等は禁止されてます)を手本にするので段落ちモールドは一切行わず、後ハメ加工もなるべく行わない方向で製作します。

◆必要な工具は「プラ用ニッパー」「デザインナイフ」

1.ニッパーでのパーツの切り離し方ですが、大体3種類に分類されます。

「パーツからゲートを残さず切り離す方法」
「パーツにゲートを少し残して切り離す方法」
「切り離す方向とは刃を逆にして強制的にゲートを残してパーツを切り離す方法」

・「パーツからゲートを残さず切り離す方法」は、ランナーやゲートからのパーツ切り離しが速いが、切り離す際にパーツに負荷がかかり白化の原因やパーツがエグれて切り離した表面が荒れる場合があります。また、パーツ形状によってはゲートが残ってしまう場合もあります。
・「パーツにゲートを少し残して切り離す方法」は、後からゲートを処理するので切り離した表面が綺麗で表面処理の際にパテ埋め等の必要がないが、手元が狂ってゲートを残さず切り離してエグレや白化を起こしてしまう場合があります。
・「切り離す方向とは刃を逆にして強制的にゲートを残してパーツを切り離す方法」は、確実にゲートを残して切り離せて後からゲート処理が行えます。正しいニッパーの使い方と言う方もいます。

取説を読みながら丁寧に製作する場合やパチ組で終わらせる方は「切り離す方向とは刃を逆にして強制的にゲートを残してパーツを切り離す方法」で切断するのが良いかもしれません。また、アルティメットニッパー等のデザインナイフで切断したような切れ味を持つニッパーをお持ちの方は「パーツからゲートを残さず切り離す方法」で切断してゲートが残ったパーツだけ(アルティメットニッパーは刃先がカットされてる為、ゲートが結構残ります)後で処理すれば良いと思います。私のように基本的に取説が存在しない状態で組む試作関係で納期の問題もある方、取説見ないで速く組みたいせっかちな方はいきなり全パーツを切り離すのが基本となるので、パーツ裏面にゲートがある場合は「パーツからゲートを残さず切り離す方法」でニッパーを持ち替える時間も惜しいのでパーツ表面にゲートがある場合は「パーツにゲートを少し残して切り離す方法」も有効です。ニッパーの切り離し方は、パーツ表面をエグらなければ各自お好きなように(^_^; それと、パーツをエグってしまっても後の表面処理で修復しますのでご安心を。

↓パーツからゲートを残さず切り離した場合の切断面、使い古した匠TOOLS 極薄刃ニッパー使用。

↓ゲートを後からアルティメットニッパーで切り離した切断面、デザインナイフでも同じようになりますがパーツをエグらないように注意が必要です。


2.後でパーツを外し易くする為にピンの斜めカット

↓画像のようにピンを斜めにカットすると、パーツが外し易くなります。

↓ピン先がパーツ表面に出る場合はカットしません。また、表面に出ているピンを押せば簡単に外せます。

↓ピンをカットしてもパーツが摘まめず外し難い箇所は仮組み時では無理に取り付ける必要はないです、どうしても取り付けたい場合は画像のように裏側にピンバイス等で穴を開けて押し出せるようにしましょう。

・カットの方向ですが、パーツをグイグイと上下左右に揺らしながら引き抜くことになるのでピンが複数ある場合はパーツ中心にピンの先端が並ぶようにカットするのがコツです。また、斜めカットの他にピン受けの穴をピンバイス等で削ってピンとの接合を緩くする方法もあります。


3.パーツを切り離して、ピンカットしながら組んでいこう!

・パーツの付け間違いに要注意!股間のクリアパーツは後から外すのが困難になるので取り付けないほうが良いかも。仮組みなのでシールもこの段階では貼りません。
・基本的に取説の順番に組んでいくのが一番良いのですが、モチベーション維持の為に武器類から組んでいくことをお薦めします。合わせ目消しも塗装も武器類からがモチベーション維持のコツだったりします。見かけたことありませんか?凄く上手いんだけどライフルや盾を持ってない作品、ファンネルの無いνガンダムとか(^_^; 気合い入れた作品ほど途中で力尽きて、普段より出来映えの良い本体に満足してしまい武器類は放置ということが多々あります。特にGセルフのライフルはマスキング地獄で挫折率高いので要注意です。
また、右腕と左腕、右脚と左脚を同時に切り離して分けて置いてから組む方法もあります、速く組むコツですね。

↓仮組みが終わったら合わせ目箇所のチェック!ヒケやパーティングライン、ウェルドラインは大雑把にパーツを分けて表面処理と同時に行います。

次回は「☆3.合わせ目消し」から